海外投資と日本人の資産運用方法

これからの日本人の資産運用のあり方として、もっと海外の株式や債券・REITなどに投資をするべきであるという意見があります。その理由としては、第一に、日本人は狭い国内だけではなく、もっと広い海外のマーケットに目を向けるべきだということがあります。

 

すなわち、株式市場を例にとるならば、世界全体のマーケットに占める日本株式の割合は少なく、世界ではアメリカの株式市場に投資をするのが主流なのであるということです。それから、今や日本はほとんど経済成長しない状態となっているわけですが、世界に目を向けてみれば、非常に高い経済成長率となっている新興国も多く存在しているわけです。第二に、今の日本は超低金利の状態となっているわけですから、もっと金利を稼ぐことのできる海外のマーケットに投資をするべきだという論点があります。つまり、日本の銀行にお金を預けていたのであれば、ほとんど利子がつかない状態であるのに対して、ブラジルなどの高金利国にお金を預ければ、年利10パーセント近くで資産運用をすることができるわけです。

 

しかし、ここで注意をしなければならないのは、為替の変動です。すなわち、例えばブラジルレアルに投資をすれば、年利10パーセント近くの金利は得られるわけですが、ブラジルレアルの対円為替が10パーセント以上下落すれば、トータルとして損をしてしまうことになってしまうわけです。そして、今までの傾向をみてみますと、日本円は色々な世界各国の通貨の中でも、最も高くなっている通貨と言えるわけなのです。でも、日本はここのところほとんど経済成長をしていない状況であるのに、なぜこのような低成長国の通貨である円の価値が高くなってしまうのでしょうか。それは、日本で進行しているデフレーションの影響であると考えることができます。すなわち、デフレーションの経済下においては、モノの価値が下がるわけですが、それは逆に通貨の価値が上がるということでもあるのです。

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